ポイント別の浴衣の着方
ポイントその1 裾
衿先を合わせて、浴衣を持つ手を前に引っ張り上げます。その時、浴衣が背中にぴったりくっついていることを確認してください。
確認できたら、手を下げていきます。
どのくらい下げるのかというと、くるぶしが隠れるくらいです。
丈が短いと、子どもっぽく見えてしまうので注意です。
右→左の順で体に合わせます。
合わせる時のポイントとしては、裾すぼまりになるようにします。
左側の衽(おくみ)線を右足の親指と人差し指の間に来るように、右側を引っ張って調節します。右から合わせる時に浴衣を持つ手を脇の下まで上げて、左も合わせます。
ポイントその2 腰紐
紐はへその位置で締めます。
後ろで交差させて、前で結びます。片蝶結びか蝶々結びで大丈夫です。
結び目を右か左かどちらかに寄せておくと苦しくないです。結んで余った紐は見えないように結んだ紐に絡めておきます。
腰紐はしっかり締めないといけないので、ぎゅうぎゅう締めると肉に食い込んで痛いです。なので痛みを軽減するために、暑いかもしれないけれど、お腹周りに補正としてタオルを巻くとマシになります。
ポイントその3 おはしょり
腰紐が終わったら、身八つ口と呼ばれる、脇に縫われていない場所が両側にあるので、そこから手を入れます。
布のたるみがあるので、それを整えます。
背中側から整えます。
手のひらを背中側、指先を下にして、布のたるみに向かって軽くトントンします。次に、漢字の「八」の字を描くように手を動かします。
背中側が終わったら、前も背中側と同じようにトントンしてください。
ポイント
おはしょり部分は布が重なって、もこもこしがちです。
そうならないようにするためには、内側の布を胸の下で三角に折り上げて、おはしょり部分の布を内側の布一枚と、外側の布一枚にします。その状態を保ち、胸紐をします。
胸紐は腰紐と同じ結び方をしてください。
ただ、腰紐ほどぎゅうぎゅうに締める必要はないです。
胸紐を結んだら、背中側にシワが寄るので紐の下に人差し指を下から入れて、脇にシワを寄せるように指を動かします。
シワがある程度取れたらおはしょりの長さを整えていきます。
おはしょりの長さは大体7cmくらいです。
どこから7cmかというと、へそからへそ下までです。
いちいち定規で測るのは面倒なので、自分の体を定規に見立てることがおすすめです。私の場合、人差し指一本分ちょっと長めが大体7cmくらいです。
長さが長い方、ちょうど良い感じの方いらっしゃるかと思いますが、ここでまたポイントが一つあります。やることは一緒です。
おはしょりがそのままだと正面から見たときに斜めになっているはずなので、それを真っ直ぐにします。
紐の下、左側に着物の縫い目があるのでそこと、もう一箇所適当なところをつまんで持ち上げます。
持ち上げる時に若干右に引っ張りながら持ち上げてください。
そうすると、おくみ線が斜めになっていたのが真っ直ぐになって、おはしょりが綺麗に真っ直ぐになっているはずです。
後ろは見えないので、おはしょりがシワのない状態になっていればいいです。大体の位置で同じように持ち上げます。後ろは押さえるのが大変なので、紐にくくりつけます。
その上から伊達締めをします。伊達締めをしたら、せっかく作ったおはしょりにまたシワが寄るので、胸紐をした時と同じように伊達締めの下から指を突っ込み、脇にシワを寄せるように動かします。
ポイントその4 衣紋(えもん)
うなじから拳ひとつ分空けます。
背中に背中心と呼ばれる、縫い目があります。その部分をつまみ、下に引きます。
ポイントその5 衿合わせ
相手から見て、アルファベットの小文字の「y」になるようにします。
よく聞く右前というのは、右衿が上に来るという意味ではなく、右衿を左衿に重ねるという意味です。
和装の世界は、右より左の方が格上になっています。なので、浴衣や着物、性別に関わらず、衿は全て左が上になります。
右前という単語は、いつも「どっちだっけ?」と忘れがちなので、私は相手から見て「y」になるようにというのを意識して着ています。
最後に
- 裾の丈はくるぶしが隠れるくらい
- 腰紐はへその位置で
- おはしょりは7cmが理想
- 衣紋は背中心を下に引いて拳ひとつ分
- 衿は相手から見た時に「y」の字になるように